The Threads of My Name    ~ truth, hope and... ~

The days of weaving a tapestry with my feathers

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Australia


丘を上がると、いつも海があった


一歩踏み出すたびに、淵から溢れるそれはまるで

七色のエメラルドグリーンの宝石が液体になって輝いてるみたいやった


Cottesloe beach


ベッドの中でも、その漆黒から響く轟音が心地よくなったとき、

あの海岸は、私の中で永遠に寄せては返すようになった。



想いをめぐらすこともできないぐらいに巨大なものを

いつも感じて生きるということは、

あんなにも無条件に安心で、

胸がすうすうする程淋しいものだということを、

あの海は、いつもあの轟音に乗せて、私に伝えた。



Australia


惜しげもなく、私に剥き出しの赤く渇いた大地を見せてくれた

海岸線を車を走らせると、空と雲と海と緑の大パノラマがいつもそこにあった。

私の目の前に映るその景色は、

どの瞬間も、息を飲むほど、完璧やった。

神様がいるとしたら、そのすべてに・・・


毎日、毎日、祈った

「ずっとこの景色が見られますように」


・・・いつか見られなくなるのだと、知っていたから。

まるで恋だ。



Perth は色彩の渦やった。


草木が「萌える」とは、本当は「燃える」という意味やと思うしかないぐらいに、

真夏の痛い程の青空に飛び散る

枝垂れ花火にしか見えない、真っ黄色の花房


歩道を染める一面の紫の絨毯

驚いて見上げると、遥かに空一面を染め上げる程に

紫の花に埋め尽くされた大木


夕日を受けて、

ピンクと青の乳白色に色を変える、波打ち際

そして、海岸を歩く見知らぬ人たちと

親しく等分に分かち合う、

その黄金


暗黒の水平線から、

あたりまえのように、一刻も躊躇することなく

音も立てずにあらわれる、月

月と海岸を一直線に繋ぐ、水面に輝く銀色の階段


どんな色を着ても、すべて色褪せた。



やっと、帰る


忘れていたものが、じわりと染み出してくる。

少しずつ、少しずつ、染まる、

懐かしいあの色彩に。



日本に帰ってきて、

澄んだ青や緑の服を、無意識のうち手当たり次第に求めた

コーディネートもできなくなるほどに、自分の皮膚までも

その色に染まりかけた時、

やっとその意味が解った。

何が本当に欲しかったのか。


私の中のあの轟音が、あの色を求めて彷徨っていたんやった



どこにもなかった

この国には、どこを探しても


ここは、日本やった


「これは晴れているのか曇っているのか」、と嘆いたこの私の上に広がる淡い青を

受け入れられるようになった今、

やっと、日本に帰って来れたように思う。

この空は、日本そのものなんや。


穏やかに、緩やかに、水分を含んで、

豊かに四季を織り上げる


その色彩が謳う喜びは、Australiaのそれと少しも違わないと、

今なら云える。



さぁ、少しずつ帰ろう


もう、あの色彩が広がらなくても

今の私にしか見れない色彩が、ありのまんまで待っていてくれてる

何もかも剥き出しの、圧倒的な力強さで


私たちが結んだふたりを、祝いに


あの海に、帰ろう




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徒然なるままに |


笑ってしまう


わかる?わかるっていうの?


あんなに消耗しながら一体、私は口から何を押し出してる?


本には何が書かれているの?


明るい方をみているんやと思っていた



光は常に内側から射してる


だから私たちはこんなにも何もかもに、盲目なんや


ミクロだろうが、マクロだろうが


そんな風にはきっと、何もみえない


なにひとつ、みえないようにしてあるんやろう


真に照らすのは、自分や



そして、それすらわかるわけがないし、不毛やとも云える


全く馬鹿みたいやと思う






徒然なるままに |

冷静な眼差しで この地上の陰と陽を

左右に掻き分けていく


私はあの頃から 君を真似したくて

少し尖らした唇で 先へ突き進む


嘘みたいな I love you / 宇多田ヒカル




人の家に遊びに行って、

いちばん初めに気になるところ。


本棚。


キッチン(吉本ばなな)のみかげは、「台所」やと言ってたけれど、

私は、本棚。


CDの棚も気になるけれども、

字が小さいし背表紙に個性があまり出せないのが欠点やと思う。

少なくとも私にはあまり、そこからその音楽が聞こえてこない。

触れるまでの過程が、多すぎる。



本棚は、その人そのものやと思う。

その人の、血肉やと思う。

何を咀嚼し、吸収して、積み上げたかを、

そっと教えてくれてるような気がする。


だから、私は自分の本棚を誰かに見られるのは少し恥ずかしい。

本たちは、あまりにも多くのことを語りすぎると思う。


出会い、選び、手に取り、自分のものにしようとした、何か。



そして、私が一番好きな本棚は、

自分の本棚でも、我が家の本棚でもなく、


お兄ちゃんの本棚。




今日は、新しい住処に引っ越しをした兄夫婦の家を、

父と母とで温めに行った。


部屋の総面積とほぼ同じ広さのベランダを有する、

たまげた住処やった。

庭仕事を愛する義姉の、夢の空間からは澄んだ星空が綺麗に見えた。


その奥の部屋に、兄の本棚があった。

部屋の半分を占拠して、天井まで届くほどの手製の本棚。3面。


いつも心躍る。


読みたいと思っていた本は、兄の本棚に大抵収まっている。

そこには今の私が、さらに遠く深く展開されて整然と並んでいるような気がいつもする。


そして、私の本棚と同じ本が並んでいることも、最近はよくある。

同じ家に4人で住んでいた頃、私たち家族は、

同じ本を気付かずに買ってくるという不経済なことを、よくやっていた。


小さい頃からよく見知った本たちも、やっぱりちゃんとその新しい本棚に収まっていた。

絵本も、童話も、マンガもあの頃のままで。

同じ本を何度も何度も読んでもらって、2人で育ってきたんやった。


大好きやった絵本の話も、兄となら同じ温度で懐かしむことができる。

その場面に、2人同時に着地することができる。

これは、本当に幸せなことやとこころから思う。



思えば、お兄ちゃんの本棚は小さい頃からいつも、

私の羨望の的やったんやった。


お兄ちゃんの本棚には、いつだって面白そうな本ばっかりある。

どんな景色にそんなにも夢中になっているのか、いつだって興味津々やった。

でも、いつも内容はよく分からんかった。

小難しい本がほとんどやった。

でも、背伸びをして頑張って読んでみたりしたなぁ・・・



そうして何十年もお兄ちゃんの本棚を見つめてきた。



今は、私の本棚から、少しずつ兄の景色が見える。

お兄ちゃんの本棚は教えてくれる、

私たちが見据える先は、同じやって。



本は、遺伝子にとても似ている。

連綿と絶えることなく受け継がれてきた、情報と想い。

その本を書くために、その著者が読んできたであろう膨大な量の本たち。

そしてそのすべての本に同じことがいえるとき、

時を越え、遥か太古の一点に帰することを、また、想う。



今、私の部屋は、お兄ちゃんの本棚からごっそり借りてきた本たちで埋め尽くされてる。

約20冊。


いつ読むのだ。





徒然なるままに |

Passion

そこに行けば 

ちゃんとあるんやと教えてくれたのは

ゴッホの絵やった


Vincent Van Gogh


行けば 必ずある

行こうと思いさえすれば

時を越えて 待っていてくれる




生まれて初めて見た彼の絵は 

       Irises

New Yorkは、メトロポリタン美術館



あんなに、ひとつの絵画を見つめたことはなかった


大振りの花瓶に、無造作に生けられた数本の紫の菖蒲


永遠のいのちを吹きこまれた、花が、そこに咲いてた



彼の絵は、まるで生命のそれのように、完璧やと思った

何が完璧なんやろう・・・

もう、大好きやと思った、全部

色の組み合わせも、絵の具の厚みも、筆の幅も、一筆の重なる感じも


背景の配色や筆遣いにさえ、釘付けになって食い入るように見た



他には誰もいなかった


私とゴッホの描いた irises だけの空間


どうしたらいいか、わからんかった

この気持ちを、どうしたらいいか、とてももてあましてしまった

抱きつくことも、愛を伝えることもできない時には

一体、どうしたらいいんやろうか・・・



・・・祈る、のかなぁ




その数年後に出会った彼の絵は、オランダにあった


電車を乗り継ぎ、バスを乗り継いで辿り着いたのは、

気を抜くとうっかり迷い込んでしまうような広大な森の中に、

ひっそりと横たわる、クレラー=ミュラー美術館

大海に漂う木片のようなその体に、

ゆったりと、のびのびと、芸術家たちの情熱を抱いている


そんな、およそ今までで一番美術館らしからぬところに、

あった


太陽の光を受けて、刻々とその色を変えながら、

何の飾りもない、白木に縁取られて


      夜のカフェテラス


愛しいその筆遣いと、塗り重ねられた 青と黄色

淋しさと、温かさが、互いに支え合いながら

闇を照らし、光を受け止める


こんなところにいたんやね

こんなに、幸せな空間に、瞬間瞬間に、その印象をころころ変えながら・・・


画家が、いのちを込めた色を、あたりまえように太陽の光がゆらす


そうだ・・・その通りだ・・・ と、とてもとても思った



フランスはパリ、オランジェリー美術館

クロード・モネの 睡蓮も・・・

太陽の光を反射して、360°やわらかな色の霞が波打っていた

朝も昼も夜も、自然と呼応して息づく永遠の瞬間


思い出しただけで、一瞬にして恋に落ちる

甘い匂いが猛然とたちこめる


とても親しいのに、圧倒的で涙が出る






キリストの受難 を想う



徒然なるままに |

闇に花

好きな人や 物が多すぎて

見放されてしまいそうだ・・・


月に負け犬 / 椎名林檎





沈丁花には絶対に夜が似合う。

夜道でその覚醒した香りにぶつかると、

一瞬で、自分が自然の中にいたことを思い出す。


懐かしい、森の匂い。


ムスカリの葉っぱの根もとの根もとにも、まだ固いつぼみを見つけた。

今からたくさんの紫色のベルを鳴らしてくれる

大好きな愛しいムスカリ


小手毬も、ほんの少し前までただの枯れ枝やったのに、

その渇いた節々から、笑っちゃうぐらい瑞々しい青葉が

ぶわっと芽吹いていた


あぁ、木蓮・・・

闇の中で、涸れた木に無数にとまるぽってりとまるい純白の小鳥たち

あんなに待ち焦がれたのに・・・

もう、いっせいに飛び立ってしまった・・・



みんな、いつのまに?



好きなものは、少しも待ってくれない。

もっと、ずっと、見ていたいのに・・・

「ここ」 にもっと居たいのに・・・


みんないつのまにか、ちゃんと準備を終えて

そしてそのように、ちゃんと行ってしまう。


どれだけ愛しいかを、もっとちゃんと、伝えたかったのに。



私はいつもとろくて、

早く準備をしなさいと、よく怒られていたな。



でも不思議なことに、

みんなちゃんとまた会いに来てくれる。

そのように、ちゃんと。

いつも、必ず。


何度でも、私が伝えたいと望むなら。


そして、そのように、ちゃんと伝わっているよ

と、言ってくれてありがとう。


友人たちよ。




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